サーミスタ、熱電対、RTD:どのセンサーが最適か?
温度測定において、正確で信頼できるデータを得るには、適切なセンサーを選ぶことが重要です。データロガーメーカーとして、用途に応じたセンサーの選択が温度モニタリングの成功に直結することを理解しています。ここでは、サーミスタ、熱電対、抵抗温度検出器(RTD)の主な違いを解説し、ニーズに合ったデータロガーを選ぶお手伝いをします。
サーミスタ
サーミスタとは?
サーミスタは温度に応じて抵抗値が大きく変化する温度感知型の抵抗です。通常、セラミックやポリマー素材で作られており、限られた温度範囲内で高い感度と精度を発揮します。
メリット:
- 高感度: 操作範囲内では正確な測定が可能
- コストパフォーマンス: 手頃な価格で、さまざまなシステムに簡単に組み込める
- コンパクトサイズ: 小型で狭いスペースにも設置可能
デメリット:
- 限られた温度範囲: 一般的に -50°C から 150°C までの範囲で効果的
- 非線形応答: 抵抗と温度の関係が非線形のため、校正や専用のデータロガーが必要
用途:
サーミスタは、HVACシステム、医療機器、家電製品など、限られた範囲で高精度を求める用途に最適です。
熱電対
熱電対とは?
熱電対は、異なる金属線を一端で接合し、温度差に応じた電圧を発生させるセンサーです。
メリット:
- 広い温度範囲: 種類により -200°C から 2,000°C 以上の測定が可能(例:K型、J型、T型)
- 耐久性: 高圧や腐食環境などの過酷な条件にも耐える
- 迅速な応答時間: 温度変化に素早く反応
デメリット:
- 低精度: サーミスタやRTDと比較すると精度が低い
- 基準接点補償の必要性: 正確な測定には冷接点補償が必要
- ドリフトの発生: 長期間使用すると校正がずれる可能性
用途:
熱電対は、窯炉、エンジン、化学プラントなどの高温環境や工業用途に適しています。
RTD(抵抗温度検出器)
RTDとは?
RTDは、純金属(通常は白金)の抵抗値を温度に関連付けることで温度を測定するセンサーです。最も一般的なタイプはPt100で、0°Cで100オームの抵抗を持ちます。
メリット:
- 高精度と安定性: 長期間にわたり安定した測定が可能
- 広い動作範囲: -200°C から 850°C まで対応
- 線形応答: サーミスタよりも温度と抵抗の関係が直線的
デメリット:
- 高コスト: サーミスタや熱電対よりも価格が高い
- 遅い応答時間: 構造上、温度変化への反応が遅くなることがある
- 脆弱性: 過酷な環境では熱電対よりも壊れやすい
用途:
RTDは、実験室での測定、食品加工、環境モニタリングなど、高精度と安定性が求められる場面に最適です。
適切なデータロガーの選択
Microedge Instruments Inc.では、サーミスタ、熱電対、RTDに対応したデータロガーを提供しています。以下は、用途に応じた最適なデータロガーの選び方です。
サーミスタ用:
- USB接続 7CH サーミスタデータロガー:LPTH-1
1つの内蔵温度チャンネルと7つの外部サーミスタチャンネルを備え、一般的なNTCサーミスタに対応 - Wi-Fi接続 8CH サーミスタデータロガー:PL-HW
8つの外部サーミスタチャンネルとWi-Fiモジュールを搭載し、ホストソフトウェアとリモート通信可能
熱電対用:
- USB接続 7CH 熱電対データロガー:LPTM-1
1つの内蔵温度チャンネルと7つの外部熱電対チャンネルを搭載 - Wi-Fi接続 8CH 熱電対データロガー:PL-TW
1つの内蔵温度チャンネルと8つの熱電対チャンネルを搭載し、Wi-Fiによるリモート通信が可能
※すべてのデータロガーは内蔵温度センサーによる冷接点補償と、すべての熱電対タイプに対応
RTD用:
- USB接続 4CH RTDデータロガー:LRTD-1(PT100用)、LRTD-2(PT500用)、LRTD-3(PT1000用)
1つの内蔵温度チャンネルと4つの外部RTDチャンネルを搭載し、2線式、3線式、4線式のRTDセンサーに対応
結論
各温度センサーは独自の利点と制約を持っています。
- サーミスタは、限られた範囲で高精度を求める場合に最適
- 熱電対は、過酷な環境や高温測定に適している
- RTDは、高精度と安定性が求められる用途に最適
これらの違いを理解することで、特定の用途に適したセンサーとデータロガーを選択できるでしょう。
温度モニタリングのニーズに最適なデータロガーを選ぶための専門的なアドバイスについては、お気軽にお問い合わせください。
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